我が家には子どもが二人います。
家を建てたとき、考えたのは「子どもとの距離」でした。
いつでも親が見守れる距離がいいのか。子どもがプライバシーを守りやすく、ひとりになれる空間を大切にすべきなのか。
考えた末、我が家は子どもが幼いうちは個別の部屋を作らず、大きな遊びのスペースとして確保することにしました。コンセントや照明の位置、窓の配置などだけ調整しておけば、将来、必要になった時に複数の部屋に分割できるからです。
子どもたちが幼いうちは、広いスペースがあったおかげでダイナミックに身体を動かす遊びもでき、また個室ではないため親が見守りやすく、子どもも安心して遊ぶことができました。
しかし、子ども達が小学生になると、生活の延長線上にある広い空間では、学習するときに集中しづらいことがわかりました。ついつい親に話しかけてしまったり、他の誰かがやっていることが気になったり、30分で終わる宿題に2時間かかったこともあります。
部屋を分割して個室を作った結果、子どもたちは嘘のように集中できるようになりました。私が小さい頃は兄弟でひとつの部屋を使っていましたが、我が家の兄弟はふたりでいると遊んだりケンカしたりしはじめてしまうため、分割して正解。
個室ができたから家族のコミュニケーションが少なくなったかというとそんなことはなく、分割して小さくなった部屋はほとんどを机が占める「ひとりになり、集中するためのスペース」であるため、そうしたい時間が終わればすぐにそこから出てきます。
適切な「子どもとの距離」は、年齢や環境によって変化するもの。
部屋の役割が柔軟に変化できる家、おすすめです。